概要
フラザボル(Furazabol)はDHT由来の経口アナボリックステロイドで、中程度の同化作用とマイルドなアンドロゲン作用を持つ。その修飾されたA環構造により安定性が高く、筋肉組織の受容体に効果的に結合する。
スタノゾロールやドロスタノロンに類似した特性を持ち、増量期よりもむしろ、体組成を締めたいカッティングサイクルや、スピード・体重制限のある競技アスリートに好まれた。
歴史
1965年に初めて合成され、主要な医薬品ブランドは日本で製造・販売されたMiotolan(1970〜80年代)のみであった。1980年代には検出が困難な「Undetectable Steroid」としてオリンピック選手の間で使用されたことで有名になった。
現在は正規の医薬品としては製造されておらず、アジアで生産されたバルク原料から作られたアンダーグラウンド製品として、稀に闇市場で見られるのみである。
提供形態
かつては1mg錠剤として提供されていた。現在は処方薬としては入手不可。
化学的特性
DHT誘導体に17α-メチル基を付加して経口バイオアベイラビリティを確保し、A環にフラザン基(furazan group)を付加した構造を持つ。この修飾により、他の17α-メチルDHT誘導体と比較して相対的なアンドロゲン性が低減されている。
副作用と対策
エストロゲン系
アロマターゼ化しない。エストロゲン性はない。水分貯留や女性化乳房のリスクはなし。
アンドロゲン系
脂性肌、ニキビ、体毛・顔毛の増加、男性型脱毛症の可能性あり。女性には男性化作用のリスク。5α-還元酵素阻害剤(プロペシア)の影響を受けない。
肝毒性
C17α-アルキル化化合物であり、長期使用は肝障害のリスクがある。推奨サイクル期間は6〜8週間。肝臓サプリメントの併用が推奨される。
心血管系
コレステロール値に強く影響し、HDLを顕著に低下させLDLを増加させる。これにより動脈硬化のリスクが高まる。1970年代に「コレステロール低下作用」という臨床的な誤解があったが、これは否定されている。
テストステロン抑制
他のAASと同様、内因性テストステロン産生を抑制する。PCT必須。
投与量
男性
標準:10〜20mg/日(最大30mg/日)
サイクル期間:6〜8週間
女性
2〜5mg/日、4〜6週間。男性化作用のリスクを最小限に抑えるため、低用量に抑える。
入手性
処方薬としては製造されていない。アンダーグラウンドソースで稀に入手可能。
ケア剤は必ず確認しよう