食欲刺激薬

食欲刺激薬

食欲刺激薬(Appetite Stimulants)は、主に消耗性疾患の患者の体重増加を目的として医療で使用される薬剤です。しかし、ボディビルダーやアスリートの間では、増量期(バルクアップサイクル)にカロリー摂取量を増やす目的でオフラベル使用されることがあります。このページでは、代表的な食欲刺激薬について整理します。

ペリアクチン(Periactin / シプロヘプタジン)

シプロヘプタジン塩酸塩(Cyproheptadine Hydrochloride)は、第一世代の抗ヒスタミン薬であり、セロトニン拮抗薬でもあります。FDAの承認はアレルギー症状とアナフィラキシーの治療ですが、適応外使用として食欲刺激と体重増加の目的で広く使用されています。

作用メカニズム

  • 強力なセロトニン拮抗作用により、視床下部の満腹中枢を抑制
  • 結果として食欲が増進され、食事からのカロリー摂取量が増加
  • 抗ヒスタミン作用による鎮静効果も併せ持つ

歴史

  • 1961年にMerck社からPeriactinのブランド名で導入
  • 2003年に米国とカナダでのブランド販売は終了したが、ジェネリック版や他国での販売は継続
  • 1994年にWHOは長期使用の有効性に警告を発したが、短期の食欲刺激薬として現在も使用されている

メゲストロールとの比較

メゲストロール酢酸エステル(Megestrol Acetate)はFDA承認の食欲刺激薬ですが、シプロヘプタジンと比較して以下の特徴があります:

項目シプロヘプタジンメゲストロール
体重増加効果同等同等
インポテンス報告なし報告あり
主な副作用鎮静・眠気様々なホルモン関連副作用

研究では、両者とも消耗性疾患の患者に有意な体重増加とカロリー摂取量の増加をもたらすことが示されています。

投与方法

剤形:

  • 4mg錠剤が一般的

推奨用量(オフラベル):

  • 1回4mgを1日2〜3回(合計8〜12mg/日)
  • ボディビルダーのサイクル期間:通常4〜8週間に限定

副作用

副作用頻度詳細
鎮静・眠気非常に多い抗ヒスタミン作用による。最も顕著な副作用
めまい中等度用量依存的
口の渇き中等度抗コリン作用による
吐き気低い消化器症状
錯乱低い高用量で発生する可能性

注意点

  • 鎮静効果はトレーニングパフォーマンスに悪影響を与える可能性がある
  • 短期的な使用に限定すべき
  • 糖尿病、緑内障、前立腺肥大のある患者は使用を避けるべき

アナボリックとの関連

興味深いことに、ドミニカ共和国のステロイド製品「Anabolex」には、メタンジエノン(ダイアナボル)3mgとシプロヘプタジン1.5mgが配合されています。これは、同化療法中のカロリー摂取を促進する目的です。

参考文献

更新: / 作成: