成長ホルモンと関連物質
ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone, HGH)および関連する成長因子や分泌促進因子は、アスリートやボディビルダーの間で使用されているPEDの一種です。
これらの物質は筋肉増強、脂肪減少、回復促進などの効果が期待されています。
このページでは、成長ホルモンと関連物質について整理します。
組換えヒト成長ホルモン(rHGH / Somatropin)
概要
組換えDNA技術で合成されたヒト成長ホルモンで、医療用途では成長ホルモン欠乏症の治療に使用されます。
期待される効果
- 除脂肪筋肉量の増加
- 体脂肪の減少
- 結合組織と骨の強化
- 回復力の向上
- 肌の若返り効果
投与方法
- 投与経路:皮下注射
- 投与頻度:1日1〜2回
- 一般的な用量:2〜4 IU/日(アスリート用途)
- サイクル期間:12〜24週間以上
副作用とリスク
| 副作用 | 詳細 |
|---|---|
| 浮腫(むくみ) | 水分貯留による手足のむくみ |
| 手根管症候群 | 手のしびれや痛み |
| インスリン抵抗性 | 血糖値の上昇 |
| 末端肥大症 | 長期間の過剰使用による骨の変形 |
| 関節痛 | 成長に伴う痛み |
GHRH類似体(成長ホルモン放出ホルモン)
セルモレリン(Sermorelin / Geref)
29アミノ酸からなる合成GHRH類似体で、下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を促進します。
特徴:
- rHGHより効果は穏やか
- 天然のフィードバック機構を維持するため、過剰投与のリスクが低い
- 注射部位の反応(発赤、腫れ)が主な副作用
- アスリートやアンチエイジング用途で使用
用量:
- 0.2〜0.5mg/日(皮下注射)
- 1日2回投与がより効果的な場合もある
注意点:
- 2008年に米国での商業製品が製造中止
- 現在は調剤薬局やグレーマーケットで入手
CJC-1295
長時間作用型のGHRH類似体で、半減期が延長されています。
- GHRHのアミノ酸配列を改変
- 体内での持続時間が長い
- 週に2〜3回の投与で効果
GHRP(成長ホルモン放出ペプチド)
GHRP-6
成長ホルモンの分泌を強力に促進する6アミノ酸のペプチド。
特徴:
- 強力なGH分泌促進作用
- 食欲増進効果もある
- 空腹時に投与すると効果が高い
GHRP-2(Pralmorelin)
GHRP-6より強力で、より特異的にGH分泌を促進します。
イパモレリン(Ipamorelin)
GHRP-6やGHRP-2よりも選択性が高く、副作用が少ないとされています。
特徴:
- コルチゾールやプロラクチンへの影響が少ない
- 食欲増進効果が弱い
- 比較的副作用が少ない
IGF-1(インスリン様成長因子-1)
IGF-1 LR3
長時間作用型のIGF-1で、インスリン様成長因子の効果を増強します。
特徴:
- 筋肉細胞へのアミノ酸取り込みを促進
- 筋衛星細胞の活性化
- インスリン様作用による栄養取り込み促進
DES(1-3)IGF-1
IGF-1の短縮型で、より強力な効果を持つとされています。
参考文献
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