PCT後・クルーズ移行後の血液検査は、参照範囲に入ったかだけでは足りません。開始前の本人の値へ近づいたか、SERMで押されていない自然状態でLH/FSHが動いているか、脂質、肝機能、CBCが戻っているかを評価します。
PCTそのものはAAS/SARMs後のPCTとSERM終了後検査で詳しく説明しています。PCT後またはクルーズ移行後は、元値からのズレと未回復の項目が重要です。
PCT後検査
SERM終了後4-6週を空ける
タモキシフェン、クロミフェン、エンクロミフェンを使っている間は、LH/FSHや総テストステロンが薬で動いています。PCT後検査はSERM終了直後ではなく、4-6週ほど空けて採血します。総テストステロン、LH/FSH、E2、SHBG、性欲、睡眠、気分を開始前と比べます。
参照範囲内でも元値より低い場合がある
総テストステロンが参照範囲に入っても、開始前より大きく低い場合、本人にとって戻ったとは言いにくくなります。LH/FSHが高く総テストステロンが低いなら精巣側、LH/FSHが低いままなら下垂体側の回復不十分を疑います。E2とSHBGも体感のズレに絡みます。開始前検査なしでPCT後だけ採血すると、この違いが参照範囲内かどうかに潰れます。
健康指標の戻り
脂質は経口AASとSARMsで遅れることがある
アナバー、ウィンストロール、スーパードロール、ジアナボル、RAD-140(テストロン)、LGD-4033(リガンドロール)では、HDL低下、LDL上昇、ApoB上昇がオン中より後まで残ることがある。LGD+エンクロミフェン後の相談では、総テストステロンが保たれていてもE2上昇や体感不安定が残っている。体感が戻っても、脂質とE2が戻っていなければ次サイクルへ進む材料にならない。
CBCと血圧はクルーズでも残る
テストステロン高用量、ボルデノン、体重増、睡眠時無呼吸では、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血圧がサイクル後も高めに残ることがあります。PCTで自然状態へ戻る場合も、クルーズへ移る場合も、CBC、家庭血圧、安静時心拍数は同じ週に確認します。息切れ、頭痛、顔の赤みが出てからではなく、数値が戻ったかを先に確認します。
終了後の検査表
PCTで戻る場合
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 総/遊離テストステロン | 開始前の本人値へ近づいたか |
| LH/FSH | SERMなしで下垂体側が動いているか |
| E2/SHBG | 性欲、気分、関節、睡眠とのズレ |
| HDL/LDL/ApoB | 経口AAS/SARMs後の心血管リスク |
| AST/ALT/GGT/ビリルビン | 肝機能が正常化しているか |
| CBC | ヘマトクリット上昇が残っていないか |
| クレアチニン/eGFR | 体重増、血圧、脱水の影響が残っていないか |
クルーズへ移る場合
クルーズへ移る場合、終了後検査は回復判定ではなく、長期管理の開始値になります。総テストステロン、E2、CBC、脂質、血圧、睡眠時無呼吸、妊孕性を継続的に確認します。クルーズ選択の重さはPCTで戻るかクルーズに残るかで詳しく説明しています。
次サイクル前の停止ライン
戻っていない項目があるなら次へ進まない
HDLが戻っていない、ALTが高い、ヘマトクリットが高い、血圧が高い、LH/FSHが弱い、性欲と睡眠が戻らない。この状態で次サイクルへ入ると、前回の未回復と新しい薬剤反応が重なります。次サイクルの開始前検査はAAS/SARMs開始前に必要な血液検査と生活記録と同じ項目から始まります。
体重だけで成功判定をしない
オン中の最大体重は、水分、グリコーゲン、食事量を含みます。PCT後またはクルーズ移行後に重要なのは、主要種目、見た目、性欲、睡眠、血液検査がどこに落ち着いたかです。体重が落ちても血液検査と筋力が戻るなら、次の設計は立てやすくなります。