フィッシュオイルの選び方

フィッシュオイルは、AAS・PED使用者の心血管ケアでよく挙がるサプリですが、万能の「血管保護」ではありません。主に見るべき対象は中性脂肪(TG)です。AHAの科学 advisory では、処方用 omega-3 脂肪酸 4g/日が高TG管理でTGを下げる選択肢とされています[1]

魚油量ではなくEPA+DHA量を見る

製品ラベルでは「フィッシュオイル1000mg」と大きく書かれていても、EPAとDHAの合計量は300mg前後にとどまる製品があります。比較する時は、1粒あたりの魚油量ではなく、EPA+DHAの実量を見ます。

表示判断
フィッシュオイル量カプセル内の油全体。EPA/DHA以外も含む
EPA量TG対策やEPA単独製剤で特に見る項目
DHA量EPAと合わせて omega-3 量を構成するが、製剤によって比率が異なる
1日あたりEPA+DHA実際に比較すべき摂取量

NIH ODSの専門家向けファクトシートでも、omega-3の研究結果は製剤、用量、対象者で差があり、AHAは高TG管理で処方用 omega-3 4g/日を位置づけています[2]。一般サプリを少量飲む話と、高TG治療用量の話は分けます。

EPA単独とEPA+DHA配合

EPA単独製剤は、EPAを主成分として設計された医薬品・高濃度製剤です。一方、一般的なフィッシュオイルサプリはEPAとDHAを両方含みます。TGが高い場合は、サプリ銘柄の雰囲気ではなく、血液検査でTGがどう動いたかを見ます。

EPA+DHA配合サプリは日常ケアとして使いやすい一方で、AAS由来のLDL上昇やHDL低下を直接解決する薬ではありません。脂質異常が強い場合は、心血管系ケア薬の選び方で扱うように、スタチンなど医師管理下の選択肢も含めて考える領域になります。

選ぶ時の実務ポイント

項目見る理由
EPA+DHAの合計量目的量まで何粒必要かが決まる
EPA:DHA比TG重視か、一般的なomega-3補給かを分ける
酸化対策遮光容器、賞味期限、保管条件を見る
飲みやすさ大粒カプセルは継続率を下げやすい
価格1粒価格ではなくEPA+DHA 1gあたりで比較する

胃もたれ、魚臭いげっぷ、下痢が出る製品は継続しにくくなります。食後に分ける、冷蔵保管する、小粒製品にするなどで続けやすさが変わります。

サプリで済ませてよい範囲

TGが軽く高い程度なら、食事、アルコール、体脂肪、有酸素運動、フィッシュオイルをまとめて調整する余地があります。一方でLDL-CやApoBが高い、血圧も高い、ヘマトクリットも高いという状態では、フィッシュオイルだけでは論点が狭すぎます。

フィッシュオイルは心血管ケアの一部です。AAS・PED使用時は、脂質、血圧、血算を同じ時系列で見て、必要なら薬剤設計そのものを下げる判断が優先されます。

出典

  1. Skulas-Ray AC, et al. Omega-3 Fatty Acids for the Management of Hypertriglyceridemia: A Science Advisory From the American Heart Association. Circulation. 2019. (American Heart Association / Circulation / 2019 / Overview)
  2. NIH Office of Dietary Supplements: Omega-3 Fatty Acids - Health Professional Fact Sheet (NIH Office of Dietary Supplements / Overview)
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