メタステロン

基本情報

構造

メタステロンの構造式
分子式
C21H34O2
分子量
318.5 g/mol [1]
主な構造修飾
2α,17α-ジメチルDHT

性質

系統
DHT
投与経路
経口
17αアルキル化
あり
エストロゲン性
なし
アロマターゼ活性
なし
プロゲスチン性
なし

歴史

誕生

メタステロン(Methasterone)は、DHT骨格に2α位と17α位のメチル基を持つ合成アナボリックステロイド(AAS)です。ボディビル系のコミュニティでは、スーパードロール(Superdrol)、メチルドロスタノロン(Methyldrostanolone)、Sdrolなどの名称でも言及されます。

医療

メタステロンは、承認医薬品として広く定着したAASではありません。17αアルキル化された経口AASという位置づけのため、医療用途よりも、デザイナーステロイドやサプリメント混入成分としての問題が中心になります。

ボディビル

フォーラムやコミュニティでは、短期間での筋量感、筋力、パンプを狙う経口DHT系AASとして語られます。商品名・通称が先行しやすく、スーパードロールという名称だけでメタステロンを指す文脈があります。

特徴とリスク

特徴

メタステロンはDHT由来の非芳香化AASで、2αメチル化と17αメチル化を併せ持ちます。DHT系であるためエストロゲンへ変換されず、水分貯留を前面に出すタイプのAASとは異なる性質を持ちます。[2]

構造上はドロスタノロンに近い名前で語られることがありますが、17αアルキル化された経口薬である点が大きく異なります。メチルドロスタノロン という別名だけで注射用ドロスタノロンと同じ扱いにしないことが重要です。

リスク

肝毒性

17αアルキル化AASは、経口活性を高める一方で肝胆道系への負担が問題になります。メタステロンもこの構造群に含まれるため、他の17αアルキル化経口AASと同様に肝酵素上昇、胆汁うっ滞性障害、肝障害のリスクを考慮します。[2]

血中脂質への影響

経口AASはHDLコレステロール低下などの脂質悪化を起こしやすく、非芳香化DHT系でも心血管リスクから独立して扱えません。メタステロンは、フォーラム上でも脂質悪化や血圧上昇の体験談と結びついて語られやすい薬剤です。[2]

自己産生の抑制

他のAASと同様に、外因性アンドロゲンとしてHPG軸を抑制します。エストロゲンへ変換されないことは、自己産生抑制が弱いことを意味しません。[2]

競技規制上の扱い

WADA禁止表では、メタステロンはS1のアナボリック薬に該当し、競技会時・競技会外ともに禁止されています。[3]

出典

  1. PubChem: Methasterone (PubChem / NCBI / Overview)
  2. Kicman AT. Pharmacology of anabolic steroids (British Journal of Pharmacology / 2008 / Overview)
  3. World Anti-Doping Agency: 2026 Prohibited List (World Anti-Doping Agency / Overview)
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