AASは、アンドロゲン受容体に作用するステロイド性アンドロゲンの化合物群です。単一の分類軸だけでは整理できず、親化合物、構造修飾、投与経路、代謝、作用時間などの複数の軸で扱われます。[1][2]
親化合物による分類
| 分類 | 内容 | 代表例 |
|---|
| テストステロン系 | テストステロン骨格を基にしたAAS | テストステロンエステル、メチルテストステロン、メタンジエノン、ボルデノン、クロストebol、フルオキシメステロン |
| DHT系 | DHTまたは5α還元型アンドロゲンに近い構造を持つAAS | ドロスタノロン、メステロロン、メテノロン、オキサンドロロン、スタノゾロール、オキシメトロン |
| 19-ノル系 | テストステロンの19位メチル基を欠く骨格を持つAAS | ナンドロロン、トレンボロン、ノルエタンドロロン、ミボレロン、メトリボロン |
親化合物による分類は、芳香化、5α還元、DHT/DHN生成、プロゲスチン作用などの前提と関係します。[1][2]
投与経路による分類
| 分類 | 主な特徴 |
|---|
| 経口AAS | 消化管から吸収される。17αアルキル化などにより肝初回通過を受けにくくした薬剤が多い。 |
| 注射AAS | 多くは17β位エステル化により油性注射剤として使われる。エステルにより放出速度が変化する。 |
| 経皮製剤 | テストステロンゲル、パッチなど。医療用テストステロン補充療法で用いられる。 |
構造修飾による分類
| 修飾 | 主な意味 |
|---|
| 17αアルキル化 | 経口利用性を高める。肝胆道系への負荷と関連する。 |
| 17βエステル化 | 注射後の放出速度を変える。親ホルモンの作用時間に関わる。 |
| 19-ノル化 | 19位メチル基の除去。ナンドロロン、トレンボロンなどの骨格。 |
| 1,2二重結合 | テストステロン骨格のA環修飾。メタンジエノン、ボルデノンなどに見られる。 |
| DHT由来構造 | 5α還元型骨格を基にしたAAS。芳香化しない化合物が多い。 |
代謝による分類
| 代謝 | 関連する化合物 |
|---|
| 芳香化 | テストステロン、メチルテストステロン、メタンジエノン、ナンドロロンなど |
| 5α還元 | テストステロンからDHT、ナンドロロンからDHNが生じる |
| 3α-HSDによる不活化 | 一部のDHT系化合物やDHT代謝に関与する |
| 肝初回通過 | 経口AAS、特に17αアルキル化AASで重要となる |
出典
- Endotext: Androgen Physiology, Pharmacology, Use and Misuse (Endotext / NCBI Bookshelf / Overview) ↩
- Kicman AT. Pharmacology of anabolic steroids (British Journal of Pharmacology / 2008 / Overview) ↩