AASとHPTA抑制

HPTA(hypothalamic-pituitary-testicular axis)は、視床下部、下垂体、精巣からなる男性生殖内分泌の制御系です。外因性AASは、この軸を負のフィードバックにより抑制します。[1][2]

通常の分泌制御

視床下部はGnRHを分泌し、GnRHは下垂体前葉からLHとFSHの分泌を促します。[1]

LHは精巣Leydig細胞に作用し、テストステロン産生を促します。FSHはSertoli細胞に作用し、精子形成に関わります。[1]

テストステロン、エストラジオール、インヒビンBなどは、視床下部と下垂体に負のフィードバックをかけます。[1]

外因性AASによる抑制

外因性AASにより血中アンドロゲン作用が上昇すると、視床下部・下垂体への負のフィードバックが強まり、GnRH、LH、FSHの分泌が低下します。[1][2]

その結果、内因性テストステロン産生と精子形成が低下します。[1][2]

主な所見

AASによるHPTA抑制では、以下の所見が扱われます。[1][2][3]

項目変化
LH低下
FSH低下
内因性テストステロン産生低下
精巣容量低下することがある
精子数低下または無精子症になることがある
性機能低下することがある
気分・活力低下することがある

回復

AAS中止後のHPTA回復は、使用期間、使用量、化合物、併用薬、年齢、基礎状態により異なります。[2][3]

短期間で回復する例もありますが、長期の低ゴナドトロピン性性腺機能低下、低テストステロン、精子形成障害が残る例も報告されています。[2][3]

出典

  1. Endotext: Male Reproductive Endocrinology (Endotext / NCBI Bookshelf / Overview)
  2. Rahnema CD, et al. Anabolic steroid-induced hypogonadism: diagnosis and treatment. Fertility and Sterility. 2014;101(5):1271-1279. (DOI / Overview)
  3. Kanayama G, et al. Prolonged hypogonadism in males following withdrawal from anabolic-androgenic steroids: an under-recognized problem. Addiction. 2015;110(5):823-831. (DOI / Overview)
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