エンクロミフェン

基本情報

構造

エンクロミフェンの構造式
分子式
C26H28ClNO
分子量
406.0 g/mol [1]
分類
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)

性質

投与経路
経口
作用機序
エストロゲン受容体調節を介したLH/FSH分泌への作用
主な作用
内因性テストステロン産生、精子形成への影響

歴史

誕生

エンクロミフェン(Enclomiphene)は、クロミフェンに含まれる異性体の一つです。クロミフェン製剤はエンクロミフェンとズクロミフェンを含む混合物として扱われ、エンクロミフェン側は抗エストロゲン的な作用と結びつけて説明されます。[2]

医療

クロミフェンは排卵誘発薬として使われ、男性では低ゴナドトロピン性性腺機能低下症や男性不妊の文脈で検討されてきました。エンクロミフェンは、混合物であるクロミフェンと区別して語られることが多い成分です。[2][3]

ボディビル

フォーラムでは、PCTや「クロミッドより副作用が少ないSERM」として単独で話題になります。クロミフェン経験とエンクロミフェン経験を分けるスレッドもあり、混合物のクロミフェンと同一視しすぎないことが重要です。

特徴とリスク

特徴

エンクロミフェンは、視床下部・下垂体系のエストロゲンフィードバックに関わるSERMとして語られます。外因性テストステロンを補う薬剤ではなく、LH/FSHを介して内因性産生を促す方向の薬剤です。[2]

リスク

視覚症状

クロミフェン系では、霧視、光過敏、残像などの視覚症状が問題になります。エンクロミフェンを単独成分として語る場合も、SERMとしての中枢・視覚系リスクは切り離せません。[2]

気分と性機能

エストロゲン受容体調節は、気分、性欲、睡眠などにも影響します。テストステロン値だけを見て効果を判断すると、体感面の悪化を見落とします。[2]

エストラジオール上昇

LH/FSHを介して内因性テストステロンが上がる場合、芳香化によりエストラジオールも上がることがあります。PCT文脈では、低エストロゲンと高エストロゲンの両方を区別します。

競技規制上の扱い

WADA禁止表では、クロミフェンはS4のホルモン調節薬および代謝調節薬に該当し、競技会時・競技会外ともに禁止されています。エンクロミフェンもクロミフェン系SERMとして同じ文脈で扱います。[4]

出典

  1. PubChem: Enclomiphene (PubChem / NCBI / Overview)
  2. DailyMed: CLOMID - clomiphene citrate tablet (FDA Label) (DailyMed / NLM / Overview)
  3. Katz DJ, et al. Outcomes of clomiphene citrate treatment in young hypogonadal men. BJU Int. 2012;110(4):573-578. (PubMed / NLM / Overview)
  4. World Anti-Doping Agency: 2026 Prohibited List (World Anti-Doping Agency / Overview)
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