Pyrilutamide / KX-826

基本情報

構造

Pyrilutamide / KX-826の構造式
分子式
C21H15F5N4O2S
分子量
482.43 g/mol [1]
分類
外用非ステロイド性アンドロゲン受容体拮抗薬

性質

投与経路
外用。臨床試験では主に0.5%または1.0%外用液を1日1〜2回使用する設計が報告されています。[2] [3]
作用機序
頭皮標的組織でアンドロゲンと競合してARに結合し、DHT/テストステロンによる毛包ミニチュア化シグナルを抑える設計です。[2]
半減期
承認ラベルに基づく半減期はありません。臨床開発段階のため、公開薬物動態情報は限定的です。
DHT抑制率
DHT産生を抑える薬ではなく、AR結合を阻害する薬です。血中DHT抑制率は主要指標ではありません。[2]

歴史

誕生

KX-826はKintor Pharmaが開発するfirst-in-class候補の外用AR antagonistとして、男性・女性AGAを対象に中国および米国で臨床開発されました。[2] [4]

医療

2026年3月、Kintorは中国男性AGA第III相で主要評価項目達成を発表し、1.0% BID群のTAHCはベースラインから15.33 hairs/cm²、プラセボ差10.65 hairs/cm²、P<0.0001と報告しました。2026年6月にはWCHR 2026で第III相データを発表し、販売承認申請を進めているとしています。ただし本稿時点でAGA承認薬としての上市は確認できません。[2] [3]

ボディビルにおける利用

AAS使用に伴うアンドロゲン性脱毛を局所AR遮断で抑える目的に理論上関心を集めます。DHT低下薬ではないため、フィナステリドで問題になる一部の全身DHT低下とは異なる設計ですが、AR antagonistである以上、全身曝露が高ければ抗アンドロゲン様副作用は理論上残ります。

特徴とリスク

特徴

第III相まで進んだ外用AR antagonistである点が最大の特徴です。既存の5αリダクターゼ阻害剤とは異なり、ホルモン産生ではなく受容体側を狙います。女性AGA第II相でもTAHC改善と良好な安全性が発表されています。[4]

リスク

承認前データへの依存

主要データの多くは企業発表であり、査読済み全文論文・承認審査資料とは情報密度が異なります。

局所刺激

外用液では接触皮膚炎、紅斑、掻痒、乾燥などが想定されます。

抗アンドロゲン様作用

全身曝露が増える条件では性機能、乳房症状、内分泌系への影響を完全には否定できません。

競技規制上の扱い

KX-826は2026年6月5日時点でAGA承認薬としての販売承認が確認できない臨床開発品です。承認前に使用する場合、WADA S0「非承認物質」に該当しうるため、競技者では禁止扱いになる可能性があります。[5]

出典

  1. PubChem: Pyrilutamide (PubChem / Overview)
  2. Kintor Pharma: Phase III KX-826 Tincture 1.0% For AGA Reached Primary Endpoint (Kintor Pharma / Overview)
  3. Kintor Pharma: KX-826 Phase III data presented at WCHR 2026 (Kintor Pharma / Overview)
  4. Kintor Pharma: Female AGA Phase II primary endpoint met (Kintor Pharma / Overview)
  5. World Anti-Doping Agency: 2026 Prohibited List (World Anti-Doping Agency / Overview)
作成: