RU58841

基本情報

構造

RU58841の構造式
分子式
C17H18F3N3O3
分子量
369.34 g/mol [1]
分類
非ステロイド性外用抗アンドロゲン薬(研究用AR antagonist)

性質

投与経路
外用。AGA用途では研究段階で、承認医薬品としての標準用量は存在しません。
作用機序
毛包周辺でアンドロゲン受容体(AR)へのDHT/テストステロン結合を競合的に阻害することを意図した局所抗アンドロゲン作用。
半減期
ヒト外用薬としての承認ラベルに基づく半減期はありません。動物・組織研究が中心です。[1] [2]
DHT抑制率
DHT産生を低下させる薬ではなく、受容体レベルで作用を遮断する設計です。したがって血中DHT抑制率は設定されていません。[2] [3]

歴史

誕生

RU58841はRoussel Uclaf系の非ステロイド性抗アンドロゲンとして1990年代に報告されました。初期論文では「局所活性を持つ新規抗アンドロゲン」として、皮膚・毛包領域での応用可能性が検討されています。[2]

医療

AGAに対しては、ヒト頭皮毛包の移植モデルやサルモデルなどで毛成長への効果が示されましたが、承認薬としての臨床開発には到達していません。PubChem上では化合物として登録されていますが、医薬品ラベルは存在しません。[1] [3] [4]

ボディビルにおける利用

AAS使用時のアンドロゲン性脱毛を抑える目的で、インターネット上では研究用試薬として言及されることがあります。作用点はAR遮断であり、筋肥大効果を高める薬ではありません。外用でも全身移行が起これば性欲低下、乳房痛、抗アンドロゲン様症状の理論リスクがあります。

特徴とリスク

特徴

フィナステリドやデュタステリドのようにDHTを減らすのではなく、頭皮局所でARを遮断する発想が特徴です。理論上は血中DHTを大きく変えずに毛包DHTシグナルだけを抑える狙いですが、ヒト長期安全性・製剤品質・用量反応は未確立です。

リスク

全身性抗アンドロゲン作用

外用であっても吸収量が増えれば、性機能低下、気分変化、女性化乳房などの抗アンドロゲン様リスクは理論上否定できません。

製剤品質

市販名を持つ承認薬ではないため、個人輸入・研究用試薬では純度、濃度、溶媒、分解物の管理が最大の問題になります。

長期安全性

ヒトAGAに対する長期ランダム化試験と市販後安全性データがありません。

競技規制上の扱い

RU58841は政府規制当局によるヒト治療薬としての承認が確認できない研究用化合物です。WADAのS0「非承認物質」に該当しうるため、競技者では競技会時・競技会外を問わず使用禁止扱いになる可能性が高いです。[5]

出典

  1. PubChem: RU-58841 (PubChem / Overview)
  2. Battmann T, et al. RU 58841, a new specific topical antiandrogen. J Steroid Biochem Mol Biol. 1994. (PubMed / Overview)
  3. Pan HJ, et al. Evaluation of RU58841 as an anti-androgen in prostate PC3 cells and a topical anti-alopecia agent in the bald scalp of stump-tailed macaques. Endocrine. 1998. (PubMed / Overview)
  4. de Brouwer B, et al. Evaluation of RU58841 in the human hair growth model using grafted nude mice. Dermatology. 1997. (PubMed / Overview)
  5. World Anti-Doping Agency: 2026 Prohibited List (World Anti-Doping Agency / Overview)
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