PED

AAS・SARMs以外のパフォーマンス向上薬を、作用点と薬理分類で整理します。

PED(Performance Enhancing Drug)は、競技能力、体組成、減量、持久力、回復、計量、外見調整などに関与する薬剤・研究化合物の総称です。単一の薬理分類ではありません。

このセクションでは、AASとSARMsを除いたPEDを扱います。AASはステロイド性アンドロゲン、SARMsは非ステロイド性アンドロゲン受容体調節薬として独立セクションに置き、PED側ではGH/IGF-1系、代謝調整薬、血糖系薬剤、EPO系薬剤、利尿剤、交感神経刺激薬、甲状腺ホルモン、プロホルモン、研究段階ペプチドなどを扱います。

主な分類

分類主な作用点代表例
成長ホルモン系GH受容体、GHRH受容体、グレリン受容体、IGF-1受容体Somatropin、Sermorelin、CJC-1295、GHRP、MK-677、IGF-1 analogs
代謝調整系PPARδ、Rev-ErbGW501516、SR9009
脂肪燃焼剤β2受容体、甲状腺ホルモン受容体、ミトコンドリア脱共役、交感神経系Clenbuterol、T3、DNP、Phentermine、Yohimbine、Caffeine
血糖降下剤インスリン受容体、肝糖新生、インスリン感受性Insulin、Metformin
持久力向上薬EPO受容体、赤血球生成Epoetin alfa、Darbepoetin alfa
利尿剤腎尿細管、アルドステロン受容体、水分・電解質Furosemide、Hydrochlorothiazide、Spironolactone
食欲刺激薬H1受容体、セロトニン受容体、プロゲステロン受容体Cyproheptadine、Megestrol
プロホルモン変換後のアンドロゲン1-DHEA、4-DHEA、19-NorDHEA
組織修復系ペプチド研究段階の修復関連経路BPC-157、TB-500

目的名と薬理分類

「増量」「減量」「回復」「持久力」「計量」は目的名です。薬理分類ではありません。同じ減量目的でも、β2作動薬、甲状腺ホルモン、脱共役剤、PPARδ作動薬、刺激薬は作用点が異なります。同じ増量文脈でも、GH/IGF-1系、インスリン、食欲刺激薬、アンドロゲン系薬剤は同一カテゴリではありません。

WADA禁止表上の位置づけ

WADA禁止表では、PEDに相当する成分は複数カテゴリに分散しています。GH、GHRH、GHRP、IGF-1、EPO系はS2、β2作動薬はS3、ホルモン・代謝調整薬はS4、利尿剤と隠蔽薬はS5に置かれます。GW1516/GW501516、SR9009/SR9011、インスリン、甲状腺ホルモン、EPO系薬剤、利尿剤などは、それぞれ異なる禁止区分に関係します。[1]

出典

  1. World Anti-Doping Agency. The Prohibited List. (World Anti-Doping Agency / Overview)