研究対象
SARMsは、加齢、低栄養、がん悪液質、骨粗しょう症などに伴う筋量低下や骨量低下を対象に研究されてきました。[1]
開発上の狙いは、テストステロンやAASのアナボリック作用を筋肉・骨側に寄せ、前立腺、皮膚、毛髪などのアンドロゲン性作用を小さくすることでした。[1]
臨床研究
健康な高齢男性と閉経後女性を対象にしたGTx-024(エノボサーム、オスタリン)の第II相試験では、除脂肪体重と階段昇降パワーが評価され、最高用量群で除脂肪体重の増加が報告されました。[2]
がん患者の筋消耗を対象にしたエノボサームの第II相試験でも、総除脂肪体重の増加が報告されています。[3]
一方で、SARM全体では、筋量や体組成の変化が示されても、臨床症状、身体機能、生活の質などの臨床エンドポイントの改善が十分でない研究がありました。[1]
この差が、承認薬としての位置づけにつながりにくい理由の一つです。[1]
承認状況
米国FDAでヒト用に承認されたSARMはありません。[1][4]
FDAは、SARMsが栄養補助食品や「研究用」として売られることがあっても、米国では未承認薬であり、現時点でサプリメントや医薬品として合法的に販売できないと説明しています。[4]
未承認薬は、FDAによる安全性・有効性の審査を受けていません。[4]
そのため、臨床試験で評価された成分名と、オンライン製品の表示名を同じ安全性データとして扱うことはできません。
個別成分への影響
オスタリン、リガンドロール、RAD140などは、開発コード、臨床試験、WADA分類、オンライン流通で名前が残っています。
ただし、ヒト用承認薬ではないため、個別成分ページでは臨床研究の対象、確認された検査値変化、未承認製品のリスクを分けて扱います。
出典
- NCBI Bookshelf: Selective Androgen Receptor Modulators (NCBI Bookshelf / Overview) ↩
- Dalton JT, et al. The selective androgen receptor modulator GTx-024 (enobosarm) improves lean body mass and physical function in healthy elderly men and postmenopausal women. Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle. 2011;2:153-161. (link.springer.com / Overview) ↩
- Dobs AS, et al. Effects of enobosarm on muscle wasting and physical function in patients with cancer: a double-blind, randomised controlled phase 2 trial. Lancet Oncology. 2013;14(4):335-345. (PubMed / NLM / Overview) ↩
- FDA. FDA warns against use of SARMs among teens, young adults. (fda.gov / 2023 / Overview) ↩
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