テストステロン系AASは、体内で産生される主要な男性ホルモンであるテストステロンを基礎にした薬剤群です。
AAS全体を理解する上で、基準点になる系統です。
代表的な化合物
テストステロン系では、親ホルモンは同じでもエステルによって作用時間が変わります。
| 化合物 | 特徴 |
|---|---|
| テストステロンプロピオン酸エステル | 短時間作用。血中濃度の変動が早い |
| テストステロンエナント酸エステル | 中時間作用。広く使われる標準的なエステル |
| テストステロンシピオン酸エステル | エナント酸に近い中時間作用 |
| テストステロンウンデカン酸エステル | 長時間作用。医療用途でも使われる |
| サスタノン/オムナドレン | 複数エステルを混合した製剤 |
エステルの違いは、効果の種類ではなく主に放出速度と血中濃度の推移に関わります。
特徴
テストステロンは、アナボリック作用とアンドロゲン作用の両方を持ちます。
- 筋タンパク質合成を促進する
- 性機能や気分、活力に関わる
- アロマターゼによりエストロゲンへ変換される
- 5α還元酵素によりDHTへ変換される
- 外因性投与では内因性テストステロン産生が抑制される
このため、テストステロン系はAASの基準として扱いやすい一方で、エストロゲン関連副作用、DHT関連副作用、HPTA抑制を同時に考える必要があります。
ベースとして扱われやすい理由
テストステロン系がAASサイクルのベースとして語られやすいのは、単に「強い」からではありません。
- 体内にも存在するホルモンで、生理作用の理解が進んでいる
- 医療用途での使用歴とデータが比較的多い
- エストロゲンやDHTへの変換を含め、反応を読みやすい
- 他のAASで抑制される内因性テストステロンを外から補う文脈がある
ただし、ベースとして扱われることは、安全であることや自己判断使用を意味しません。
関連する概念
テストステロン系を理解するには、以下の概念を分けて見る必要があります。
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