局所ステロイド代謝は、血中にあるステロイドホルモンが組織内で変換、不活化、再活性化される過程です。
血液中のホルモン濃度は全身循環の指標ですが、標的組織で実際に起こる反応は、局所の酵素発現、受容体発現、代謝能力に影響されます。
血中濃度と組織内濃度
血中濃度は、循環しているホルモン量を示します。一方、組織内では5αリダクターゼ、アロマターゼ、17β-HSD、3α-HSD、3β-HSDなどにより、ホルモンが別の形へ変換されます。
そのため、血中テストステロン濃度が同じでも、皮膚、毛包、前立腺、脂肪組織、骨、脳で起こる局所反応は同じではありません。
主な局所変換
| 変換 | 酵素 | 意味 |
|---|---|---|
| テストステロン → DHT | 5αリダクターゼ | 局所アンドロゲン作用を強める経路 |
| テストステロン → エストラジオール | アロマターゼ | 局所エストロゲン作用を生む経路 |
| アンドロステンジオン ↔ テストステロン | 17β-HSD | アンドロゲン活性の調節 |
| DHT → アンドロスタンジオール類 | 3α/3β-HSD | DHT不活化・代謝に関与 |
受容体反応
局所代謝は、受容体発現と組み合わさって反応を変えます。ある組織でDHTが生成されても、アンドロゲン受容体の発現や感受性が低ければ反応は限定されます。
反対に、局所生成量が少なくても、受容体感受性が高い組織では反応が目立つ場合があります。
血液検査の限界
血液検査は全身循環の指標を示しますが、局所組織内のDHTやエストラジオール濃度を直接示すものではありません。総テストステロン、遊離テストステロン、E2、SHBGなどは重要な指標ですが、局所反応を完全に代替するものではありません。
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