脱トレーニングは、トレーニング刺激が減少または消失した状態です。筋量、筋力、神経適応、筋内基質、水分量は、トレーニング中断によって低下します。
一方で、過去のトレーニング適応は完全に初期状態へ戻るとは限りません。再トレーニング時に筋量や筋力が比較的速く戻る現象は、一般に筋記憶と呼ばれます。
低下しやすい成分
トレーニングをやめると、筋線維断面積は低下しやすくなります。筋原線維タンパク質の正味量、筋内グリコーゲン、水分量、活動量、神経系の出力低下などが重なります。
短期的な体重減少には、筋タンパク質そのものだけでなく、グリコーゲンと水分の変化も含まれます。したがって、脱トレーニング初期の体重変化を、そのまま筋線維数や筋タンパク質量の変化を示すものではありません。
残りやすい成分
長期トレーニング後に残り得る要素には、以下があります。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 筋線維核 | トレーニングで増えた核が一定期間保持される可能性がある |
| 衛星細胞・再生能 | 長期負荷や損傷修復の履歴と関係する |
| 筋アーキテクチャ | 筋束長、羽状角、筋内構造の変化 |
| 腱・結合組織 | 長期負荷に対する構造適応 |
| 骨格・関節周辺 | 競技歴や長期負荷に伴う形態適応 |
| 神経適応 | 運動単位動員、協調、技能 |
| 生活習慣 | 食事量、睡眠、活動量、トレーニング再開能力 |
筋記憶は単一の機序ではありません。筋線維核に加え、神経適応、運動技能、結合組織、生活習慣が関与します。
再トレーニング
再トレーニングでは、未経験者が同じ筋量を初めて獲得する場合よりも、筋力や筋サイズの回復が速くなることがあります。
この回復速度には、過去に獲得した筋線維核の保持、衛星細胞、神経適応、運動技能、トレーニングフォーム、栄養管理能力などが関与します。
筋線維核の保持
トレーニングで追加された筋線維核が萎縮時にも保持されるかどうかは、研究上の論点です。動物モデルでは保持を示す結果があり、ヒト研究では結果に幅があります。
筋記憶には、細胞的、神経的、構造的、行動的適応が含まれます。
AAS曝露後の長期性
薬理量のアンドロゲン曝露は、筋線維サイズ、筋線維核、除脂肪量、筋形態に長期的影響を残す可能性が議論されています。ただし、ヒトでどの成分がどの程度残るかは、曝露量、期間、トレーニング、年齢、測定法に依存します。
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