フィナステリドは、5α-還元酵素のタイプ2を選択的に阻害する薬剤である。商品名Propecia(AGA治療用)およびProscar(前立腺肥大症用)で知られる。血中のDHTレベルを約70%低下させることができる。
作用機序
アナボリックステロイドの使用により体内のテストステロンが増加すると、5α-還元酵素によってテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換される。DHTが毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体に結合すると、毛母細胞の機能が低下し、脱毛が進行する。
フィナステリドはこの変換経路を阻害し、DHTの生成を抑制することで脱毛を予防する。
テストステロン →(5α-還元酵素タイプ2)→ DHT
↓
フィナステリド(阻害)
AASユーザーにおける使用目的
期待される効果
- 男性型脱毛症(AGA)の予防
- 脂性肌やニキビの軽減
- 前立腺肥大の症状緩和
テストステロン由来AASとDHT由来AASの違い
フィナステリドが効果的なのは、テストステロン由来のAAS使用中である。テストステロンやその誘導体は5α-還元酵素によってDHTに変換されるため、フィナステリドでこの変換を抑制できる。
一方、DHT由来のAAS(マスターロン、ウィンストロール、アナバーなど)はすでに5α-還元済みの構造を持つため、フィナステリドでは脱毛を予防できない。
副作用
一般的なもの
- リビドー低下
- 勃起機能への影響
- 精液量の減少
DHTの抑制により、体内での男性ホルモン生成が低下し、上記の症状が現れることがある。
肝機能への影響
フィナステリドは肝臓で代謝される。長期使用により肝機能に影響が出る可能性があるため、定期的なモニタリングが推奨される。
女性化乳房のリスク
DHTは天然の抗エストロゲンとしても機能する。DHTを抑制すると、エストロゲンの相対的優位が生じ、女性化乳房のリスクが高まる可能性がある。
投与量
- AGA治療(Propecia):1mg/日
- 前立腺肥大症(Proscar):5mg/日
- AASユーザー:1mg/日(アンドロゲン性AAS使用中)
ステロイドとの相互作用
| ステロイド | フィナステリドの効果 |
|---|---|
| テストステロン | DHT変換を抑制し、アンドロゲン副作用を軽減 |
| メチルテストステロン | 同様に効果あり |
| フルオキシメステロン | 同様に効果あり |
| ナンドロロン | アンドロゲン性が増加する可能性あり(DHN変換が阻害されるため) |
| DHT誘導体(マスターロン等) | 影響なし(すでに5α-還元済み) |
妊娠に関する警告
フィナステリドは発達中の男性胎児に深刻な影響を与える。以下の点に注意:
- 錠剤を割ったり砕いたりしたものを妊娠可能な女性が触れないこと
- 精液中にも薬物が検出される可能性がある
- 妊娠可能な女性は取り扱いを避ける
関連ページ
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ケア剤は必ず確認しよう
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